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2005年12月21日

Lords of Chaos

しばらく前から、ちょっと読んでは中断し、また続きを読み始めては中断し、という感じで読み続けていた『Lords of Chaos: The Bloody Rise of the Satanic Metal Underground』をようやく読了。ノルウェー・ブラック・メタルのドキュメント本。

ブラックサバスとかにさかのぼって「エンターテイメントとしてのロックと悪魔」について概説、そして悪魔信仰の基礎知識なんかも交えつつ、いかにしてノルウェーにマジで悪魔を信仰するアンダーグラウンドなメタルシーンが生まれたか、オスローのブラック・サークル(Mayhemを中心としたブラック・メタルのグループ)、BurzumやEmperorのメンバーによる教会への放火事件、そして内部抗争による殺人、悪魔崇拝から土着信仰、そして極右思想へと結びつき世界中に影響力が広まる、悪魔教会の教祖アントン・ラヴェイへのインタビュー(「彼らがいう悪魔というのは我々が考える悪魔とは関係ない」とか言ってます)、関係者の獄中インタビュー、などなど、レアな写真(少年時代のBurzumとか)も満載の大変充実した一冊。

どう見てもコピーで作ってそうなファンジンとかまでちゃんと資料として集めてるっぽいところが素晴らしい。

ノルウェーブラックメタルっていうと、どうしても興味本位に「教会燃やすんだってよ!」「殺人までしちゃったんだってよ!」「ヤベーーー!」というノリになりがちなのだけど(いや、少なくとも10年くらいまえにはぼくはそういうノリで接してました)、結構ちゃんと「社会問題」として真摯にジャーナリスティックに取り組んだ本だと思います。

0922915946Lords of Chaos: The Bloody Rise of the Satanic Metal Underground
Michael Moynihan Didrik Soderlind


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投稿者 junne : 2005年12月21日 23:59

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