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2007年02月08日
イアン・ボーデン『スケートボーディング、空間、都市』と『Dogtown & Z-Boys』
■『スケートボーディング、空間、都市―身体と建築』は、学術書なのでかなり高いのだが、内容的にはかなり面白いので、図書館で借りてても読むといいよ!
■根底にあるのはアンリ・ルフェーブルによる「街の持つ意味は建築物だけで決定するのではなく、そこにアクセスする人間の文脈によって決定される」という理論。そしてその理論を基にして、スケーターたちがいかにして都市にアクセスしていったか、それがいかに抵抗としての意味を持っていたか、というのを論じていく。単純にスケートカルチャーの発展史の資料としても貴重だと思うし、個人的にはスケートカルチャーの持つ反権威主義および反商業主義についての記述から、ハードコアカルチャーとの親和性(長年の興味の対象のひとつだったの)の謎の一端が解けた気がしたのも嬉しかった。いろんな有名スケーターの写真、広告やメディアに登場したスケーター像の変遷などなど、興味の尽きない一冊。
■そして、この本と併せて観るのにバッチリな映画が『Dogtown & Z-Boys』。80年代の南カリフォルニアを舞台に、スケートカルチャーの大パラダイムシフトを起した少年スケートチーム「Z-BOYS」。留守宅に忍び込んでプールの水を抜いてスケートをし、数々の斬新なトリックを生む。その犯罪スレスレというか立派な不法侵入でスケートを楽しむ彼らの姿は確実に「街の意味」を自分達の文脈で作り変えている。本の中に出てくる伝説的なスケーターたちが実際にプールで滑っているところがたくさん映っているのが嬉しい。あと個人的に見所だったのが、「当時DCで『Thrasher』に載ってるZ-BOYSの姿を見て、『すげえことが起こってるんだな!』って興奮したよ」なんて語っているイアン・マッケイとヘンリー・ロリンズ。彼らは最近「昔話をする」のが主な仕事になってるような気がするぞ、特にロリンズ(笑)。
■えーと、ていうかあれだ、せっかく板買ったんだからスケートしような、俺。
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投稿者 junne : 2007年02月08日 23:33