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2007年02月11日

riot grrrlというムーブメント-「自分らしさ」のポリティックス

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モモさんのネットショップで買ったミニコミのひとつで、もともとは大学の卒論として書かれたものとのこと。

■Bikini Killなどを中心に、90年代に、フェミニズム的なメッセージを前面に押し出したパンキッシュなガールズバンドが登場して「Riot Grrrl」と呼ばれた、というふうに記憶していたのだけれど、本書によればRiot Grrrlとはそうしたバンドだけではなく、ファンジン制作やワークショップ活動など、様々なDIY活動全般を指すものだったという。とかいうとぼくなんかはまずハードコアカルチャーと通じるものを感じがちだけど、実際にはパンク/ハードコアシーンの男性中心主義へのカウンターという側面も強かったそうだ。確かに映画『American Hardcore』の中でもハードコアの女性嫌悪ということが取り上げられている箇所があり、ヘンリー・ロリンズもそれは否定していなかった。実際にRiot Grrrl系のバンドのライブでは、男性のハードコア・パンクスによる暴力的な嫌がらせが後を絶たなかったらしい(そういえば、Los Crudosの曲でもハードコア・シーンの中の性差別についての曲があったはず)。

■フェミニズムを前面に押し出した姿勢は当時から(おそらく現在も)批判や揶揄の対象になりがちだったけれど、本書ではそうした批判に対して一つ一つ丁寧に反論し、このムーヴメントの功績をポジティブに評価しようとしている。自分にとって本当に大事なものを全力で擁護しよう、というその姿勢が何よりいいと思う。そしてその評価の中でも特に大事だなと思ったのは、Riot Grrrlの功績として、若い子の間でフェミニストであることが「クールなこと」「かっこいいこと」「ポジティブなこと」と思われるようになった、という指摘だ。左翼がかっこよくてクールでポジティヴなものに見えるようなパンクスが出てくることを切に望みます!KLF的な斜にかまえたやつじゃなくってさ!(もちろんあれはあれですごくかっこいいんだけど)

投稿者 junne : 2007年02月11日 23:59

コメント

書評ありがとうございます。
コレをかいた張本人です。モモさんからリンクで教えてもらいました。
卒論だったから、真面目口調だけれど、読んでもらって嬉しいです。ちなみに、ワタシ本人は、だらしのないデロデロ人間なので、この冊子を先に読んだ人たちと実際に会うと「イメージが違う〜!」と何度も異口同音に言われ続けています(笑)あはは。

投稿者 vegangrrrl : 2007年03月13日 23:21

わー、ご本人!コメントありがとうございますー。

ほんとに面白く読ませてもらいましたので、
あちこちで人に薦めたりもしています。
どうぞ今後ともよろしくお願いします!

投稿者 junne : 2007年03月13日 23:29

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