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2007年04月16日
雨宮処凛『バンギャル・ア・ゴーゴー』
ヴィジュアル系バンドの追っかけの女の子を描いた小説。著者も追っかけだった経験があるということなので、自伝的とは言わないまでも実際に見聞きしてきたことが描かれているんだろうと思う。
北海道の田舎町に住むいじめられっこ気味な優等生が、中学でヴィジュアル系と出会い追っかけになる。学校や親など周囲との軋轢。追っかけを通して出会った友達。やがて高校を中退し、東京へ……。
地方のライブハウス周辺での追っかけカルチャー描写はいろいろと興味深いし、著者がぼくと同い年だったりするので「あー、あったあった!」と思うような記述も多い。そういった風俗記録としての面白さもさることながらそれと同じくらい、いやそれ以上に多くの紙幅を裂かれているのが主人公(≒著者?)の独白だ。周囲の理解が得られず仲間内だけで孤立していく。ただ「バンドが好き」「バンドマンが好き」ということだけがよりどころで特にやりたいことも得意なこともなく、強い自意識をもてあます。なんかこう、地方の文化系女子に対する抑圧のキツさ、みたいなものがビシビシと伝わってくる感じで痛々しいことこのうえない。『グミチョコ』も情けなかったけど、こちらはもっと徹底的に救いがない。
余談だけど、「ヴィジュアル系」っていう言葉自体が出てきたのは実際にはこの本で描かれてるよりもうちょっと後なんじゃないかという気がする。93年くらいじゃなかったっけ?個人的には大学入ってから(93年度入学です)出てきたと思うんだけど。最初は「お化粧系」とか言ってたよね?
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投稿者 junne : 2007年04月16日 22:06
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コメント
「ヴィジュアル系」は90年か91年には
もう使われていました。
真っ只中で関わっていましたから。
投稿者 いっしー : 2007年04月19日 07:06
そうなのかー。周りで使われてなかったってだけなのかなあ
投稿者 junne : 2007年04月20日 09:53