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2008年01月26日
萱野稔人『国家とはなにか』『カネと暴力の系譜学』『権力の読みかた』
■年末から立て続けに萱野稔人の著作を読んだ。
■『国家とはなにか』では国家=暴力装置である、というテーゼを提示。国家とは合法的に暴力を行使できる機関であると論じられる。
■続く『カネと暴力の系譜学』では卓越した暴力を背景として富を収奪するという国家の基本的なありかた(税とはヤクザのみかじめ料と同じである)を説明。前著と重なる部分も多いが、ヤクザ組織などの非公式な暴力組織を国家がどのように利用しているかといった話は興味深い。
■最新作の『権力の読みかた』は副題にもあるように「状況」と「理論」のパートに分かれている。特に「状況」のパートは前2作で展開された理論をふまえて現在の政治・社会状況(ナショナリズム、対テロ戦争、ポピュリズム政治等々)を分析したもので大変面白い。
■どの本についても言えるのは、とにかく文章が明晰であるということ。引用は多いがいたずらにペダンティックになることがなく、読んでてしっかり論旨を追うことができる。こういうの、実はかなり稀だと思います。
■それで思い出したんだけど、今こんな連載をしてるのね。後で読もう(メモ)→「交差する領域」
『国家とはなにか』 萱野 稔人 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
カネと暴力の系譜学 (シリーズ・道徳の系譜) 萱野 稔人 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
権力の読みかた―状況と理論 萱野 稔人 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
投稿者 junne : 2008年01月26日 20:07
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