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2008年07月08日

John Sinclair トーク

■6/29(土)はオール明けだったせいもあって起きたら14時! 5時からジョン・シンクレアのトークショーなのに!ということで慌てて身支度して原宿へ。

■会場のTOKYO HIPSTERS CLUBは基本は洋服屋さんなんだけど、本を置いてるコーナーもあり(というか、壁ひとつ丸ごと棚になってて)、なかなかコアな品揃え。さらに6/29から開始の展示に向けてMC5のTシャツとかも売られておりますよ。イベント会場は満員御礼。しかしこのイベント、周りじゃ誰も知らなかったんだけどみんなどうやって知ったんだろう。

■インタビューアーは鳥井賀句せんせい。赤いMC5Tシャツ着用。ざっくりとシンクレアの経歴を紹介してから質問に。以下、メモも取らずにうろおぼえで書いてるので間違ってたら失礼。

■話題はまずはもちろんMC5の話。もともとジャズやブルースを愛好していたシンクレアだが、地元でまだスタートして間もないMC5を偶然見て一発で惚れ込んだとのこと。MC5とホワイトパンサー党は家を借りてコミューンのような共同生活を行っていたことでも知られているが、もともとはワークショップみたいなものから始まっている。家賃光熱費とかの管理はシンクレアがやっていた。

■で、近所にライブハウス「グランデ・ボールルーム」がオープン、MC5はその常連バンドとなる。コミューンのメンバーがそのまま客になってた感じ。グランデ・ボールルームにはニール?という名物客がいて、彼は会場に現れるとすぐにみんなに最新のアシッドペーパーを配って回る。で、客がみんな思いっきりハイになったころにMC5(当然彼らもキメキメで)が登場して死ぬほど盛り上がったと。

■そして有名な68年のシカゴ民主党大会。大々的なフリーコンサートが企画され、ビッグブラザー&ホールディングカンパニーなど錚々たる出演者が予定されていた。当時はまだレコード契約もないローカルバンドだったMC5もその主旨に賛同し出演を快諾。しかしながら会場の使用許可が下りない。それでも勝手にやっちゃってことになったのだけど、警察からの度重なる圧力により出演バンドが次々にキャンセル。結局残ったのはMC5だけだった(当日の様子なんかは『プリーズ・キル・ミー』でも生々しく描かれてますね)。

■エレクトラとレコード契約を取るも会社からは嫌われ(今でもMC5は音楽業界からは嫌われ続けている。その証拠にいまだに「ロックの殿堂」の候補にもならない。トム・ペティですら殿堂入りしてるのに!・笑)、ライナーとしてシンクレアが書いたアジ文もセカンドプレスでは削除されている(会場では削除前と削除後の両方が飾られていた)。結局レコード会社からは「政治的すぎる」と嫌われ、でも左翼のひとたちからは「まだ十分に革命的ではない」と批判されて板ばさみ状態に→ホワイトパンサーからバンドが離れていく原因になった。

■たった数本のマリファナ所持で逮捕されたシンクレアだが、それに抗議する動きが盛り上がってく。そのクライマックスとなったのがジョン・レノンとスティーヴィー・ワンダーが出演した支援コンサート。ジョンは当時アメリカに移住してすぐの時期で、ヨーコからこの件を聞かされて義憤を感じた模様。ジョン・レノンがシンクレアを支持したことで世間一般の見方は大きく変わった。「ビートルズの一員、それもジョン・レノンが支持するって言ってるくらいなんだから、間違ってるのは当局のほうなんじゃないの?」

■それまで社会の片隅にいたヒッピーたちだが、ウッドストックは世間が「時代は変わった。もう止められない」と認識する契機となった。しかしその反面規模が大きくなったことにより商業化も招いたと思う。68年から70年の間にロックやカウンターカルチャーが商業主義に転換する大きな変化があったと思うが、あいにくその時期は獄中だったので詳しいことはわからない。

■今はアムステルダムでインターネットフリーラジオをやっている。基本的に自分はずっとハッピーだが、それはある時期に「自分は一生貧しくてもいい」と決めたことが大きい。「ほしがらない生き方」はお薦めしますよ。そして、MC5はアメリカのロック史上唯一本物の政党を作ったバンドだ(コミューンの提供やフリーコンサート、不当逮捕された活動家の弁護士費用支援なんかをしてたとのこと)。それに関わったことには今でも誇りに思っているし、おそらくウェイン・クレイマーも同じ気持ちでいるはずだ。あの時代の話が聞きたいといういう人がたとえ5人とかでもいるのなら、あとは飛行機代さえ出してくれればどこへでも行って話しをするよ。

■とまあだいたいこんな感じだったかな(順番とかは思いっきり再構成してます。忘れちゃった内容もかなりあると思うし)。最後に先日再結成MC5のステージで朗読したという詩を暗誦。ちなみにシンクレアがMC5のステージにあがったのは生涯でそれが2回目だったそうだ。あと質疑応答もあったけどそれは割愛。

■トーク終了後はサイン会状態に。『Kick Out The Jams』のアナログにサインしてもらってる人がいて「しまった、その手があったか!」と思った。ぼくは『Guitar Army』にサインをもらう。あとツーショットも(笑)。

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なんかねえ、すごくポジティヴオーラのあるひとだなあという印象を持ったなあ。

プリーズ・キル・ミー (Garageland Jam Books) (Garageland Jam Books)プリーズ・キル・ミー (Garageland Jam Books) (Garageland Jam Books)
島田陽子


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投稿者 junne : 2008年07月08日 23:51

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