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2010年03月03日
岡田暁生『オペラの運命』
■こないだ読んだ『西洋音楽史』が面白かったので。
■「オペラ劇場」という特殊な場の成立と変遷を中心に据え、受容層の変化(神に捧げることを目的とした音楽が王侯貴族を讃えるためのものになり、やがて市民社会の時代となってブルジョワ階級のスノビズムを満足させるためのものとなって、というような)にともなってオペラという芸術表現じたいも変化していく。20世紀になるとそもそも「オペラ劇場」という非日常的空間を成立させることが難しくなってくるわけで、そういう意味で20世紀以降に作られた前衛オペラとかそういうのは「オペラ」と呼べるのか、と、簡単に言っちゃうとそんなような話。
■コンパクトかつ平易にオペラの歴史と魅力が語られており、巻末には文献・音源ガイドもついていて嬉しい(映像についてはLD時代のものなので必ずしもそのまま今でも使えるわけではないけど)。『西洋音楽史』は音源ガイドがついてないのが残念だったのよね。
■細かいところでいうとワーグナーが散々な書かれようなのが笑う。
オペラの運命―十九世紀を魅了した「一夜の夢」 (中公新書) 中央公論新社 2001-04 by G-Tools |
投稿者 junne : 2010年03月03日 18:18
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