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2010年03月10日
岡田暁生『音楽の聴き方』
■これまで読んだ同じ著者の本が基本的には歴史概説書(随所に筆者の主観・価値判断が入るとはいえ)であったのに対して、こちらはより「著者の考え」を綴った本といっていいかと。
■「音楽は音を楽しむって書くんだよ。言葉じゃなくって感じればいいんだよ」みたいな言い草が個人的には昔から嫌いだったのだけれども、そういう自分からすれば大変に溜飲の下がる本でありました。
■そもそも音楽を「理解」するのに言葉はいらないとか「音は国境を越える」的な言説自体が19世紀の西洋で生まれた一種のイデオロギーでありグローバリズム(ニアリーイコール帝国主義)がその背景にある。言語化せず「感覚的に」「楽しむ」ことができるのは馴染みのある(西洋音楽がベースにあるような)音楽だけであって、耳慣れない音楽を楽しむにはやはりどこかで耳の訓練が必要だし、そのうえで「言葉にする」という作業は有効だ。
■生きていれば「批評」は常につきまとうし、むしろそれを怠ることは視野を狭めることになると思うんですよ。途中から本の紹介というよりぼくの意見になってしまってますが、そんなようなことが理路整然と書かれた良書。少なくともぼくはそういうことを読み取った。
音楽の聴き方―聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書) 中央公論新社 2009-06 by G-Tools |
投稿者 junne : 2010年03月10日 19:17
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