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2013年09月30日

短期集中連載#7 最終回(たぶん)ジュンク堂書店池袋本店「編集者が選ぶ本フェア」本日まで

■先日お伝えしたように期間が延長された「編集者が選ぶ本フェア」、いよいよ本日が最終日となりました。ということで、今回はぼくがフェア用に選んだ本&コメントをご紹介します。

■地引雄一『EATER'90s インタビュー集:オルタナティブ・ロック・カルチャーの時代』(K&Bパブリッシャーズ)
学生時代に大いに影響されたミニコミ誌「EATER」掲載のインタビュー集。東京ロッカーズ周辺から同時代のオルタナティブミュージシャンまで日本のアンダーグラウンドシーンを紹介しており、特に大友良英のインタビューは人生の指針のひとつにもなった。

4902800365EATER'90s インタビュー集:オルタナティブ・ロック・カルチャーの時代
地引雄一
K&Bパブリッシャーズ 2012-09-27

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■「Trash-Up vol.15」
いま一番おもしろい雑志。ホラー映画、地方インディーズ、グラフィックアート、現代詩、最近ではアイドルまで、ジャンルレスに面白いと思ったものを詰め込んだ物量と濃度には毎回ただただ圧倒されるのみ。バックナンバーも全部必読!(追記:フェア開始時点での最新号が15号だったのですが、会期終わり頃には16号に差し替えてもらってるはずです)

B00CRBFCSA季刊 TRASH-UP!! vol.15
(書籍)
株式会社トラッシュアップ 2013-05-19

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季刊 TRASH-UP!! vol.16
季刊 TRASH-UP!! vol.16

■クリス・カトラー『ファイル・アンダー・ポピュラー』
音楽を演奏し、音楽について考え、音楽について語ることで何ができるのか。基本中の基本ではありますが、多くの基本書が入手困難になっている中、十数年前に出たこの本がまだ手に入るというのは重要。

4891763450ファイル・アンダー・ポピュラー―ポピュラー音楽を巡る文化研究
クリス カトラー Chris Cutler
水声社 1996-11

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■佐藤良明『ラバーソウルの弾み方』
ビートルズから、ブローティガン、『イージー・ライダー』、ピンチョン、ベイトソン等々ジャンルを超えて考察することで「60年代とは何だったのか」を捉える試み。学生時代に「音楽を語ることでこんなことができるのか!」と思った本のひとつ。

4582764908ラバーソウルの弾みかた ビートルズと60年代文化のゆくえ (平凡社ライブラリー)
佐藤 良明
平凡社 2004-02-10

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■アリスン・ピープマイヤー『ガール・ジン 「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア』
「オシャレなアート系小冊子」に留まらないDiY文化としてのジン・カルチャー論は、(それが本来の姿であるにもかかわらず)日本では貴重。ミランダ・ジュライのファンなんかにも読んでほしいし『アメリカン・ハードコア』との併読もお薦めします。

4778312686ガール・ジン 「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア
アリスン・ピープマイヤー 野中モモ
太田出版 2011-08-18

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■副島輝人『日本フリージャズ史』
同著者の『現代ジャズの潮流』がたいへん勉強になったのだが、そちらは現在入手困難なのでこちらを。タイトル通り、著者自身も深く関わった日本のフリージャズ史。最近復刊されて話題の間章も、この本を読んでおくと理解の助けになるのでは。

4791759567日本フリージャズ史
副島 輝人
青土社 2002-04

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サイモン・レイノルズ『ポストパンク・ジェネレーション』
自分のところで出したかった一冊。この前の時代を扱ったのが弊社刊『アナキストに煙草を』と『プリーズ・キル・ミー』。ほぼ同時代のアメリカを扱っているのが『アメリカン・ハードコア』。大著ばかりですがまとめてどうぞ!

4401634047ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984
サイモン・レイノルズ 野中モモ
シンコーミュージック・エンタテイメント 2010-05-12

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■マイケル・ナイマン『実験音楽―ケージとその後』
現在制作中の本の資料です。タイトル通りジョン・ケージ以降の実験音楽について論じた一冊。現代音楽の流れをコンパクトにまとめた本は意外と少ない。「まずはこれを読め」と言える本、というのは自分の本作りでも重要視している点でもあります。

4891762756実験音楽―ケージとその後
マイケル ナイマン Michael Nyman
水声社 1992-12

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■秋田昌美『スカム・カルチャー』
90年代に隆盛を極めた悪趣味/バッドテイスト文化。中でも個人的に最も影響を受けた名著がこれ。強烈な装丁を手がけるのはDTP第一世代でもある宇川直宏で、DOMMUNEの闇鍋感の源流を辿ると行き着く本のひとつ。

4891763035スカム・カルチャー
秋田 昌美
水声社 1994-08

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■全体として、単に好きな本というよりは自分が本を作る上で影響を受けた本、自分が作った本と併せて読んでほしい本、現在進行形で刺激を受けている本などを選んだ感じです。

■ところでお伝えし忘れてたんですけど、今年発行されたジュンク堂の芸術書オススメ本カタログ「defray」というのがあります。一部で話題になりましたよね。で、この秋は色んな店舗で「defrayフェア」というのが行われています。開催店はこのあたりで探せる感じかな。
この「defrag」という冊子、これがまた上記リンクにあるように「書店員の本気」がうかがえる充実したカタログです。我らが松岡さんのコメントの数々も堪能できます。弊社からは木村覚さんの『未来のダンスを開発する! フィジカル・アート・セオリー入門』が掲載されています。フェア開催店でも手にとっていただけると思うのでよろしくお願いします。

4944124368未来のダンスを開発する (ブレインズ叢書)
木村 覚
メディア総合研究所 2009-10-10

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投稿者 junne : 2013年09月30日 16:41

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