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2007年07月08日

吉田アミ『サマースプリング』

■一読してとにかくまず思ったのは「よく出した(出せた)なー」ということだ。

■本書は著者が中学生のときに体験した「地獄の季節」を記録したノート(10年にわたって綴られたそうだ!)がもとになっている。現在の著者の手によって全面的に手が加えられているが、おそらく痛いとか恥しいとかそういう理由で削ったような箇所はないんじゃなかろうか。中学生らしい自意識と周囲の軋轢なんかが生々しく残されている。著者は76年生まれということで、ぼく(75年生まれ)とほぼ同世代だ。ちょうど「校門圧死事件」なんてのがあって、校則の厳しい学校教育が問題になったりしてた時期(『ぼくらの7日間戦争』でワクワクしたクチですよ!)、「ゆとり教育」なんてことが言われだす前のこと。

■周囲との摩擦、そして家庭も無残に壊れていく。そんな中で発せられる「プライマル・スクリーム」としてのハウリング・ヴォイスの原点。そして現在の彼女の持つある種の「強さ」の原点が描かれる(ここはほんとに感動するよ)。

■ある意味かつてこんな本は存在しなかったと思う(さすが、前衛家ならではですね)。みんな買うといい。

サマースプリング [文化系女子叢書1]サマースプリング [文化系女子叢書1]
吉田アミ 郡淳一郎/木村カナ タナカカツキ


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投稿者 junne : 2007年07月08日 23:59

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