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2008年03月21日
佐藤優『国家論 日本社会をどう強化するか』
■年末年始に続けざまに読んだ萱野稔人の著作の数々との関連性や、いとうせいこうが絶賛してることもあって興味を持っていた本。なるほどこれは面白い。
■基本的に著者の前提として国家とは基本的に悪であるという考えがある。暴力をコントロールし、官僚を通じて収奪を行うのが国家である。この辺の認識は『カネと暴力の系譜学』なんかとも通じるものがある。
■そこで国家の暴走を防ぐにはどうしたらいいのか、という話が本書では展開される。簡単に言っちゃうと「国家」と「社会」は別物なので、「社会」を強化することで「国家」を牽制しましょうっていうことだと思うのだけど、そういう話を進めるにあたって参照するのが前半ではマルクス『資本論』および宇野弘蔵、後半では柄谷行人のアソシエーション論およびカール・バルトの神学。特に後半やや観念的な話になりすぎてね?という気もしなくもないが、それでも随所にアクチュアルなたとえ話が入ってくることからある程度具体性を持って読むことはできると思う。これはねー、結構な収穫だと思うな。
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投稿者 junne : 2008年03月21日 13:20
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