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2008年04月02日
円城塔『オブ・ザ・ベースボール』
■昨年、早川より『Self-Reference Engine』(面白い!)で鮮烈なデビューをした作家の、こちらは文学界新人賞受賞作(タイトル作)を含む2つの短編を収めた本。おもしろいわー。
■タイトル作は、ある田舎町に一年に一度くらい人が降ってくるという設定。で、レスキュー隊が組織され、語り手はその一員なのだが、そのレスキュー隊員に配られているのがユニフォームとバット。で、みな日々バッティング練習をしていると。それだけで何だそりゃって話なのだが、そういう話が断章形式で綴られていて、印象としてはガルシア=マルケス・ミーツ・ヒバリミュージックって感じの奇妙でとぼけたユーモアがあり、それでいて何らかの方法意識が感じられるというもの。
■いっしょに収録された「つぎの著者につづく」は、簡単に言っちゃえば自分の作品がRという作家の剽窃であると言われた作家が、その疑いを晴らすべくRについて調べていくというような話なのだが、膨大なリファレンスつきでちょっとヌーヴォーロマン感のある作品となっている。こっちも面白い。
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投稿者 junne : 2008年04月02日 17:47
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