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2013年09月30日
短期集中連載#7 最終回(たぶん)ジュンク堂書店池袋本店「編集者が選ぶ本フェア」本日まで
■先日お伝えしたように期間が延長された「編集者が選ぶ本フェア」、いよいよ本日が最終日となりました。ということで、今回はぼくがフェア用に選んだ本&コメントをご紹介します。
■地引雄一『EATER'90s インタビュー集:オルタナティブ・ロック・カルチャーの時代』(K&Bパブリッシャーズ)
学生時代に大いに影響されたミニコミ誌「EATER」掲載のインタビュー集。東京ロッカーズ周辺から同時代のオルタナティブミュージシャンまで日本のアンダーグラウンドシーンを紹介しており、特に大友良英のインタビューは人生の指針のひとつにもなった。
EATER'90s インタビュー集:オルタナティブ・ロック・カルチャーの時代 地引雄一 K&Bパブリッシャーズ 2012-09-27 by G-Tools |
■「Trash-Up vol.15」
いま一番おもしろい雑志。ホラー映画、地方インディーズ、グラフィックアート、現代詩、最近ではアイドルまで、ジャンルレスに面白いと思ったものを詰め込んだ物量と濃度には毎回ただただ圧倒されるのみ。バックナンバーも全部必読!(追記:フェア開始時点での最新号が15号だったのですが、会期終わり頃には16号に差し替えてもらってるはずです)
季刊 TRASH-UP!! vol.15 (書籍) 株式会社トラッシュアップ 2013-05-19 by G-Tools |
■クリス・カトラー『ファイル・アンダー・ポピュラー』
音楽を演奏し、音楽について考え、音楽について語ることで何ができるのか。基本中の基本ではありますが、多くの基本書が入手困難になっている中、十数年前に出たこの本がまだ手に入るというのは重要。
ファイル・アンダー・ポピュラー―ポピュラー音楽を巡る文化研究 クリス カトラー Chris Cutler 水声社 1996-11 by G-Tools |
■佐藤良明『ラバーソウルの弾み方』
ビートルズから、ブローティガン、『イージー・ライダー』、ピンチョン、ベイトソン等々ジャンルを超えて考察することで「60年代とは何だったのか」を捉える試み。学生時代に「音楽を語ることでこんなことができるのか!」と思った本のひとつ。
ラバーソウルの弾みかた ビートルズと60年代文化のゆくえ (平凡社ライブラリー) 佐藤 良明 平凡社 2004-02-10 by G-Tools |
■アリスン・ピープマイヤー『ガール・ジン 「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア』
「オシャレなアート系小冊子」に留まらないDiY文化としてのジン・カルチャー論は、(それが本来の姿であるにもかかわらず)日本では貴重。ミランダ・ジュライのファンなんかにも読んでほしいし『アメリカン・ハードコア』との併読もお薦めします。
ガール・ジン 「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア アリスン・ピープマイヤー 野中モモ 太田出版 2011-08-18 by G-Tools |
■副島輝人『日本フリージャズ史』
同著者の『現代ジャズの潮流』がたいへん勉強になったのだが、そちらは現在入手困難なのでこちらを。タイトル通り、著者自身も深く関わった日本のフリージャズ史。最近復刊されて話題の間章も、この本を読んでおくと理解の助けになるのでは。
日本フリージャズ史 副島 輝人 青土社 2002-04 by G-Tools |
サイモン・レイノルズ『ポストパンク・ジェネレーション』
自分のところで出したかった一冊。この前の時代を扱ったのが弊社刊『アナキストに煙草を』と『プリーズ・キル・ミー』。ほぼ同時代のアメリカを扱っているのが『アメリカン・ハードコア』。大著ばかりですがまとめてどうぞ!
ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984 サイモン・レイノルズ 野中モモ シンコーミュージック・エンタテイメント 2010-05-12 by G-Tools |
■マイケル・ナイマン『実験音楽―ケージとその後』
現在制作中の本の資料です。タイトル通りジョン・ケージ以降の実験音楽について論じた一冊。現代音楽の流れをコンパクトにまとめた本は意外と少ない。「まずはこれを読め」と言える本、というのは自分の本作りでも重要視している点でもあります。
実験音楽―ケージとその後 マイケル ナイマン Michael Nyman 水声社 1992-12 by G-Tools |
■秋田昌美『スカム・カルチャー』
90年代に隆盛を極めた悪趣味/バッドテイスト文化。中でも個人的に最も影響を受けた名著がこれ。強烈な装丁を手がけるのはDTP第一世代でもある宇川直宏で、DOMMUNEの闇鍋感の源流を辿ると行き着く本のひとつ。
スカム・カルチャー 秋田 昌美 水声社 1994-08 by G-Tools |
■全体として、単に好きな本というよりは自分が本を作る上で影響を受けた本、自分が作った本と併せて読んでほしい本、現在進行形で刺激を受けている本などを選んだ感じです。
■ところでお伝えし忘れてたんですけど、今年発行されたジュンク堂の芸術書オススメ本カタログ「defray」というのがあります。一部で話題になりましたよね。で、この秋は色んな店舗で「defrayフェア」というのが行われています。開催店はこのあたりで探せる感じかな。
この「defrag」という冊子、これがまた上記リンクにあるように「書店員の本気」がうかがえる充実したカタログです。我らが松岡さんのコメントの数々も堪能できます。弊社からは木村覚さんの『未来のダンスを開発する! フィジカル・アート・セオリー入門』が掲載されています。フェア開催店でも手にとっていただけると思うのでよろしくお願いします。
未来のダンスを開発する (ブレインズ叢書) 木村 覚 メディア総合研究所 2009-10-10 by G-Tools |
投稿者 junne : 16:41 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月28日
日曜日は二度来る!
■我らが四谷アウトブレイクの佐藤店長のインタビューが「LiveWalker.com」に掲載!よくわかんないけどライブハウス情報サイトなんですかね。
ライブやろうぜ!"ステージファイル Vol.6"四谷OUTBREAK!
いろいろ興味深い話をしておりますが、なんと言っても目を惹くのは早朝イベントの猛プッシュぶり!(笑)これ読んで思い出したけど、早朝イベントってもともとはクラブの深夜営業摘発が連発した時期にカウンターとして「深夜がダメなら早朝だ!」という主旨で始まったのでした。頓智をきかせたら明後日の方向に突っ走ってしまったという好例といえましょう。
■そんなアウトブレイクの早朝シリーズ、考えてみたら俺はこれまで出演者として皆勤しているのであった。ということで明朝もヤバいメンバーで四谷に降り立ちます。今夜オールでパーティだったり朝まで呑んでたりするような人はそのまま軽く四谷に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
■なんと対バンにROVOやデストリオ、Bazooka Joeの原田仁さんがいっしーさんとのデュオで登場。仁さんは最近はヴォイスによるノイズソロをやってるということで一度聞いてみたかったの。
at 四谷アウトブレイク
OPEN5:00 START6:00
料金 1000円(1ドリンク込)
6:00~6:30 【DJブース】DJ(((5))
6:30~7:00 【ステージ】ルソン助左衛門
7:00~7:30 【DJブース】Spr+out
7:30~8:00 【ステージ】ザ ショッキング
8:00~8:30 【DJブース】JIN TATSUNO
8:30~9:00 【特設ステージ】Sparky Quano
9:00~9:30 【ステージ】junne(Galaxy Express 666) +早川"cob
hey-say・"(KIRIHITO) +野本直輝 (PLUGDEAD)
9:40~10:10 【ステージ】原田仁(Hearts&Minds)+isshee(共犯者、
TRANSPARENTZ)
10:10~10:30【特設ステージ】桃と虎
Food パスカール吉田&一号生筆頭
ほかにもロックンロールバンド、過激パフォーマンス、コントなど盛りだくさん。フードのパスカール吉田さんといえばアウトブレイクで一番旨いと評判。つか特設ステージってなんだよ!?等々、興味のつきないラインナップです。
■ちなみにぼくはキリヒトの早川さんとPLUGDEADの野本くんを迎えてのトリオをやります。早川さんとは対バンは何度かやらせてもらってるんだけど一緒に演奏するのは初めて。野本くんは何年か前にOptrum伊東さんとのトリオっていうのをやったんだけど、その時は割と不完全燃焼だったので個人的にはリベンジのつもりもあり。
早川さんはエレクトリックパーカッションをやってもらうので、キリヒトというよりは高品格のイメージかな。
野本くんが参加しているPLUGDEADはOptrumの進さんとのデュオで、ドラムをアナログシンセに取り込んで演奏。ちょっとthermoに近いかもですね。
ソロの動画はちょっと発見できなかったけど、こないだ久々に見たらえらいビキビキの攻撃的なサウンドでかっちょよかったですよ!
■ちなみになんと早川さんは夜はUFOクラブでTHE★豚ーリンのライブ。ほんとに日曜が二度来ている!
■ということで明日の朝は四谷でお会いしましょう~
投稿者 junne : 17:42 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月21日
Songs in the Bookshelf: 本棚の音楽#2 #2 変容する「音と意味」~『AMBIENT definitive 1958-2013』をめぐって
(以下のイベント、出演者というか私の都合で急遽延期することになりました!ご予定されていた方申し訳ありません。また改めて日程決まり次第お知らせします!)
■さて、先月よりスタートした音楽書の新刊を紹介するイベントですが、「文化系のためのヒップホップ入門」と題してお送りした第一回に続きまして、第2回はアンビエントです。またしても三田格さんを、今度はメインのお客様に迎えてお送りします。
■メインで取り上げるのは、さきごろエレキング・ブックスのひとつとして刊行されました『AMBIENT Definitive』。ご存知のかたも多いと思いますが、三田格さんはこれまでに2冊、アンビエントのディスクガイドを編集しています。スタジオボイスの特集から派生した『アンビエント・ミュージック』、そしてそこからのスピンオフとして『裏アンビエント・ミュージック』。今回の本はその2冊を統合した「決定版」であるだけでなく、前2作以降にリリースされた音源を大量に含んでいるという点が大きな特徴だと思います。
アンビエント・ディフィニティヴ 1958-2013 (ele-king books) | |
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■これら3冊を読んでいて思ったのは、アンビエントという概念の幅広さなんですね。『裏』のあとがきでも言われてることなのですが、アンビエントとはジャンルではなくスタイルである、と(固有名詞じゃなくて形容詞だ、という意味だと思います)。「ハードコア○○」とか「ギャングスタ○○」とかと同じように、「アンビエント○○」って形で色んなジャンルにアンビエントというのは存在しうると。
■それはたぶんそうなんだけど、本を読んでて思ったのは、これは形容詞としても非常に曖昧なものなんじゃないかということなんです。松村正人さんがアンビエントっていうのは「オルタナティブ」以上に人によって違うんじゃないかって言ってたそうなのですが、それも同感。「ロック」くらい人によって解釈が違う気すらします。なので、そもそもアンビエントって何!?っていう話からしてみるのもいいのかな、と。
■また、本書の特徴としてここ5年くらいの音源をたくさん紹介しているというのがあります。ある意味、既に終わったジャンル、ある程度落ち着いちゃったジャンルのガイドであれば、新しいものが加わってくる余地っていうのはそんなにないわけですよね。ところが本書ではここ5年間のために30ページくらい割いている。明らかにこの間に量的にも質的にもそれだけのリリースがあったということです。しかもアメリカ発の物が多い。これもそれ以前と大きく違う点な気がする。いったいこの5年でアメリカに何があったのか?
■「アンビエント」というものの捉え方は時期によって変化があるというのも本書からうかがえるわけですが、それもまたこの5年で何らかの変化を迎えていると思われる。思うにアンビエントって、リズムとかメロディでなく音響そのものを楽しむ(あるいは「楽しむ」ことすらしない)ジャンルなわけですが、その捉え方が変わるというのは、音に対する仕方が変わってきているということもあるのではないか。
■ちなみにぼくが今作っている本はジョン・ケージの『四分三三秒』についての本なのですが、その中でも音をフェティッシュに愛でるという姿勢について疑義を呈している箇所があります。その辺の話も聞いてみたいところですね。
■ということで、来週火曜日です。よろしく!
■Songs in The Bookshelf [本棚の音楽]
#2 変容する「音と意味」
『AMBIENT definitive 1958-2013』をめぐって
予約はこちらから
[出演] 三田格、野田努、倉本諒、大久保潤
[日時] 2013年9月24日(火) 開場・19:00 開始・19:30
[会場] Live Wire Biri-Biri酒場 新宿
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (Googleマップ)
・都営新宿線「新宿3丁目」駅 C6~8出口から徒歩5分
・丸ノ内線・副都心線「新宿3丁目」駅 B2出口から徒歩8分
・JR線「新宿」駅 東口から徒歩12分
[料金] 1500円 (当日券500円up)
※終演後に出演者を交えてのフリーフード&フリードリンクの懇親会を開催します。参加費は2800円です(当日参加は3000円)。懇親会参加者には、入場時にウェルカムの1ドリンクをプレゼント。参加希望の方はオプションの「懇親会」の項目を「参加する」に変更してお申し込みください。参加費も一緒にお支払いただきます。
※懇親会に参加されない方は、当日別途ドリンクチャージ1000円(2ドリンク)をお買い上げください。
※領収書をご希望の方は、オプションの「領収書」の項目を「発行する」に変更してお申し込みください。当日会場で発行いたします。
※ご注文者には整理番号をメールでご連絡します。
お申し込み時に住所をご記入いただきますが、チケットの送付はいたしません。
当日会場受付にて、名前、電話番号、整理番号をお伝えいただければ入場できます。
※満席の場合は、立ち見をお願いいたします。
※お支払い後のキャンセルは一切受け付けませんのでご注意ください。
※銀行振り込み決済の締め切りは9/20(金)午後3時、カード決済の締め切りは当日午前0時です。
投稿者 junne : 22:40 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月17日
Blastro / From the Beginning to the End レビュー書きました
■ele-kingでBlastroのデビュー・アルバムのレビューを書きました!一足先に聞かせてもらったけどこのアルバムまじでヤバいです。
つか、読んでいただくとわかるけどアルバムレビューに見せかけて平日のアースダムがヤバいという内容の記事になっている上に、Blastroのライブ情報と見せかけて自分のバンドのライブ情報が載っているという複雑な戦略を駆使した高度なテクストになっていると自負していますのでご笑覧ください(笑)。
つか、まあとりあえずは明日、EARTHDOMの爆音サウンドシステムで度肝を抜かれに来てくださいな。
From the Beginning to the End BLASTRO doubtmusic 2013-09-25 by G-Tools |
投稿者 junne : 16:48 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月13日
8/25(Sun) GALAXレコ発パーティ@落合soup
■落合soupでライブをやるの初めてだったのでモニター関係とか正直ちょっと心配だったのだけど、思いのほかやりやすかったということを最初にご報告しておきます。
■前日、AMTの打ち上げに参加して朝までご一緒してしまい結構な呑み疲れ&二日酔い状態(苦笑)。おかげでリハの後の前打ち上げでもほとんど呑まず、最近では珍しくほとんど酒の入ってない状態でステージに臨んだ。それが功を奏したのか、はたまたゲストのJah Excretionの素晴らしい演奏に触発されたものか、Galaxy Express 666的にはたぶんこれまでで一番いい演奏だったのではないかという気がします(というか、今までいつも結構な酔っ払い方で演奏してるのでほとんど覚えてないのよね……)。まあ詳細はこないだの動画などご覧いただければ。
■二番手に登場したのはスズキジュンゾ+村田学。リハではドローンっぽいことをやっていたのだけど、本番では歌もの!ジュンゾさんのエレキ弾き語りに村田君がギターを乗せていく形。ありがちなリードギターではなくけっこうアブストラクトな感じのフレーズを乗せてくのが面白かった。
途中、村田君のギターが配線関係のトラブルで音が出なくなりしばし中断。間をつなぶべくジュンゾさんがブルース・ギターを惹き出すと、AMT東さんが急遽ブルースハープで参加!これが実によかった。村田君のギターが復活したところで終わっちゃったけど、どうせなら3人で一曲というのも聴きたいところだったな。
■kito mizukumi rouberは安定のかっこよさ! つかデタラメなようでみんな上手いんだよなー。
■そして本日の主役、GALAX!基本的にはギター主体で演奏が展開していき、そこに左右からエレクトロニクスが絡んでいくという感じなのかな、いやもう宇宙としか言いようがない!2日続けてLiquidpubilのライトショウも堪能いたしました。夢心地。
Mysterious Smile of a Buddhist Image [Analog] Galax Forcex 2013-06-25 by G-Tools |
投稿者 junne : 19:47 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月12日
8/24(Sat)Acid Mothers Temple & Melting Paraiso UFO@秋葉原Club Goodman
■AMT宗家2年ぶり(らしい)に帝都に立つ。グッドマン満員だったよ!いや、入場の時点であんな行列久しぶりに見た。
今回は新譜『In Search of Lost Divine Arc』発売記念とのことで、新譜の曲を結構多めにやっていた。これ、当たり前のようで大変珍しいことである。そして新譜の曲がどれもまあなんというか、ガツンとヘヴィなハードロックですげえかっこいいの!
■ライトショーのLiquidpubilも例によって美しく、また演奏は地獄組の時にあるようなお祭り騒ぎっぽい感じは控えめのストロングスタイルなもの。休憩も挟まず、アンコール含め3時間のロングステージ、堪能堪能また堪能。
In Search of the Lost Divine Arc Acid Mothers Temple & The Melting Paraiso U.F.O. Important Records 2013-06-10 by G-Tools |
In Search of the Lost Divine Arc [Analog] Acid Mothers Temple & The Melting Paraiso U.F.O. Important Records 2013-05-27 by G-Tools |
投稿者 junne : 17:10 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月11日
8/23(Fri)ギ酸@大久保水族館
■Galaxy Expres 666のメンバーであるRisaが参加する新バンド、ギ酸の初ライブ! 彼女はsleeping beautyのヴォーカルでもあるわけだが、ギ酸では「やったことのない楽器をやる」という主旨につきなんとギターヴォーカル! 相方の小川直人はドラム&アナログシンセ。この組み合わせで即興パンクみたいなことやるというノーウェーヴなデュオである。
■大久保水族館で頻繁に企画を手がけ、自身もすごいたくさんバンドをやってるボブ夫さんの企画「Okubo Father」への出演で、対バンもエレキベースによるドローンとか、ノイズ+アコギ+打ち込みのヒップホップとか色々と面白い人たちが出演。で、ギ酸は堂々のトリである。タイムテーブルが滅茶苦茶押しててたぶん出番が11時くらいになっちゃってたと思うのだが、期待にたがわぬ強力なデビューギグでありました。
■Risaさんは珍しく白シャツに黒い目張り&真っ赤なルージュで本人的には「ニューウェーブを意識した」ということなのだが、ボブさんいわく「鳥居みゆきみたい」。確かに(笑)。ストラップ留を装着しているにもかかわらず一曲ごとにはずれるストラップ(しまいには切れてた模様)。即興とはいえシンプルなリズムパターンをベースにしいてやってるせいかコンパクトでソリッドな印象で、これはやっぱパンクですよね。ドラムの力任せな感じも含めて。
■大変に刺激を受けたので、自分もドラマーとのデュオとかやりたいなと思いました。誰かこう、華のあるドラマーいないかな(実は既に候補はいる)。
投稿者 junne : 12:09 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月10日
ジュンク堂書店池袋本店「編集者が選ぶ本」フェア延長決定!(短期集中連載#6)
■これまで5回にわたって色々とお伝えしてきたジュンク堂書店池袋本店芸術書フロアの「編集者が選ぶ本」フェア、当初9/10までということだったので、「ああ、もう今日で終わりかー、結局イベント当日しか行けなかったなあ」と残念なような寂しいような申し訳ないような気持ちでいたところへ、担当の松岡さんから緊急連絡! なんとこのフェア、好評につき今月末まで延長が決まったそうです!
■松岡さんからは「ここまでたくさんのお客様に見ていただくのは初めてでした。」とのコメントいただきました。数々のフェアを手がけてきた方がそういうんだから結構なもんなんじゃないかと思います(ぼくも色んなフェアでお世話になってますし)。
■ちなみにぼくの選書からは「Trash-Up」最新号と秋田昌美さんの『スカム・カルチャー』がよく売れてるそうです。やはり俺はTrash & Scumなのか……。ちなみにTrash-Upは9/20に新しい号が出るそうなので、そのタイミングで入替えてくれてもいいんじゃないかなという気もします(まあそのへんはお店のほうに任せます)。
■8/15に行われたアルテスパブリッシング鈴木さん、Commmons:スコラ門松さんとのトークの模様、Ustreamで流れるという話だったのですが結局どうだったのかしらと思っていたらYouTubeのジュンク堂公式チャンネルにアップされておりました。
最初のほうをちらっと見てみたところ、我ながら「えー」「まあそのー」ばっかりで大変に聞き苦しいのですぐ止めてしまいましたけども、他のお二人の話は面白かったと思うのでよろしければご覧いただければと。
投稿者 junne : 21:45 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月09日
8/19(Mon)Songs in the Bookshelf: 本棚の音楽#1
■当日は二部構成でお送りしました。前半は矢野利裕さんと2人でここ最近のヒップホップ本をご紹介。まず一冊目はこちら。
ヒップホップ!: 黒い断層と21世紀 関口 義人 青弓社 2013-06-06 by G-Tools |
基本的にワールド・ミュージック系のライターによるヒップホップ本。最初のほう、USのヒップホップについての部分はわりとどの本にも書いてあるようなことだったりして、正直なんでこんな本を今頃?と思ったのだけど、後半に入ると日本も含めて世界中のヒップホップについて、それぞれの国におけるシーンの流れをコンパクトながら丁寧に紹介しておりすごくためになる。アフリカとか、この本を片手にいろいろ掘りたいですな。
■そして日本語ラップシーンをしっかりフォローしているわりと数少ないプロパーな書き手の一人として、二木信さんの『しくじるなよ、ルーディ!』を紹介。この本の見どころとしてはやはり、かつてWebエレキング上で行われた環ロイとのやりとりでしょうか。
二木信評論集 ~しくじるなよルーディ~ (ele‐king books) 二木信 Pヴァイン 2013-01-18 by G-Tools |
■あとは、なんといっても日本語ラップについては金字塔感のある大著、都築響一さんの『ヒップホップの詩人たち』。ボリューム、人選、内容まで、ひとまず現時点での日本語ラップ本としては決定版と言っていいと思います。また、この本にも登場するB.I.G.ジョーの獄中体験を綴った『監獄ラッパー』にも合わせて矢野さんが紹介してくれました。
ヒップホップの詩人たち 都築 響一 新潮社 2013-01-31 by G-Tools |
監獄ラッパー B.I.G. JOE 獄中から作品を発表し続けた、日本人ラッパー6年間の記録 B.I.G. JOE リットーミュージック 2011-08-25 by G-Tools |
■で、ここで本日の議題のひとつと言うべき「リアリティ」の問題についての話題に。ラップの評価軸として「リアリティ」というのが問題になってくるわけですが、そのリアリティというのは実体験が伴わなくてはいけないのか。矢野さんは現在のラップ批評における実体験至上主義について、本来の専門である日本近代文学になぞらえて「”写生文”の時代で止まっている」と表現。
■後半は『街のものがたり』著者の巻紗葉さんとゲストの三田格さんに登壇いただき、『街のものがたり』についてお話を聞きました。「10年代以降の若手ラッパーを中心に」取り上げたとされる本書ですが、実は著者が2012年に良かったと思った人たちであり、自身が現場で遊んでいる時の実感を伝えたい、というのが根底にあったそうです。
■また三田さんはスチャダラパーを聞いた時に日本語の音楽表現がラップに移行しつつあるのかと思ったものの、その後いまひとつノレる相手が出てこなかったことをストレートに吐露。ヒップホップ自体に興味を持ったのはLL COOL Jの「I Need Love」だそうで。全体にヒップホップ観が独特すぎて面白かった。
■「ロックはアウトサイダーを志向するけどヒップホップはルールを守るのが好き」など、特に矢野さんから色々と興味深い視点が提示されて個人的には実に面白く過ごせた2時間半でありました。
街のものがたり―新世代ラッパーたちの証言―(ele‐king books) (ele-king books) 巻紗葉 Pヴァイン 2013-06-28 by G-Tools |
■次回は9/24(火)、『AMBIENT Definitive 1958-2013』を取り上げます。2009年〜2010年に刊行された『アンビエント・ミュージック』『裏アンビエント・ミュージック』を統合した決定版であり、さらに10年代におけるアンビエント観の大きな変化を捉えようとした野心的な一冊(と、解釈した)。詳細はまた追って告知しますのでお楽しみに!
アンビエント・ディフィニティヴ 1958-2013 (ele-king books) 三田 格 Pヴァイン 2013-07-26 by G-Tools |
投稿者 junne : 21:18 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月06日
2013年8月の写真日記
■ざっと8月を振り返ってみようかと
■8/1(Thu)
会社の近くに来る弁当屋台で「生姜焼き&カレー」
8月はトークイベント関係が色々あるので諸々手配&打ち合わせ。
■8/2(Fri)
森美術館で「LOVE展」アーティスト・トーク。
その後六本木駅近くの居酒屋へ。席が異常に狭いけど食べ物は全部美味しかった
■8/3(Sat)
神楽坂エクスプロージョンで大甲子園GIG。
リハのあと、神楽坂ムンバイでランチ。まあまあ。
■8/4(Sun)
神宮でカープ対ヤクルト。先発バリントンはあまり良くないなりに7回3失点、まあ最低限。松山の大活躍が光る。特に江村を売ったのが偉い。今村が連続ファーボール出すけど永川が見事に火消ししてくれたのがかっこよかった
■8/5(Mon)
昼食はアジアンランチ
イベント告知やら荷物の発送やらに追われる。
■8/6(Tue)
昼食は弁当屋台のガパオ弁当
■8/7(Wed)
昼食は弁当屋台のシシリアンライス(チキンとラタトゥイユ。ラタトゥイユはいまいちかなー)
ジュンク堂池袋本店打ち合わせの後、知音食堂で夕食。辛い。
■8/8(Thu)
昼食はアジアンランチ。
諸々告知文章ばっか書いてた一日。
■8/9(Fri)
下北沢THREEでHOMMヨ企画。
帰りに笹塚鍋家でジャージャー麺。まあまあ。
■8/10(Sat)
DVD『贖罪』上巻、中巻観る
中野富士見町麺好でラーメン 魚介系。わりと旨い
■8/11(Sun)
昼食はトムヤムまぜ麺。市販の「トムヤム味のめんつゆ」というのを使ってみたのだが、いまひとつトムヤム感にかけるというかちょっと酸味があるめんつゆみたいなもんだよな。
■8/12(Mon)
おやすみ
■8/13(Tue)
ヘルシー気味な夕食
■8/14(Wed)
テープ起こしに終始
■8/15(Thu)
ジュンク堂池袋本店で編集者トーク
■8/16(Fri)
下北の韓国ファストフードみたいな店でチゲ
■8/17(Sat)
ユニオンでCD売る
夕食はとびうおと、ゴーヤチャンプルー。とびうおは焼いて食べたけど大変に薄味なものだった。煮物とかにしたほうがよかったね。
■8/18(Sun)
昼食に台湾ラーメン作る。茹でたラーメンを市販の醤油ラーメン汁に豆板醤&甜麺醤を溶いたお湯を加えたスープに投入、挽き肉、長ねぎ、韮をを唐辛子・大蒜・豆板醤で炒めた具をOn!超旨い!
夕食にスープカレー作る。玉葱を炒め、鶏肉人参じゃがいも等と各種スパイスを加えて圧力鍋で煮込むだけ。ちょっと薄味になっちゃたかな
■8/19(Mon)
アジアンランチ
ビリビリ酒場で音楽書イベント(あとで書きます)の後、山ちゃんで軽く打ち上げ
■8/20(Tue)
北参道の九龍で昼食。量は多いが味はあんまり好きな感じじゃないかも
夜は会社の人と飲む
■8/21(Wed)
昼食は屋台弁当のシシリアンライス(チキントムヤム+ポーク)
電子書籍制作の指示書作成
土曜のスープカレーにコンソメとトマトを加えて改良、劇的に旨くなる
■8/22(Thu)
劇的に旨くなったカレーをさらに一晩寝かせたので旨いに決まっている
Galaxy Express 666+Jah Excretion練習。Risaさんが寝不足で会話が妙に面白いことに。
練習後は久々にサイゼへ。
■8/23(Fri)
代々木駅前のインドカレー屋へ。まあ普通かな。
新宿タワレコで買い物のあと、大久保水族館へ。ギ酸デビューライブ。すばらしい(あとでちゃんと書きます)
大久保駅近くの味ちゃんでサムギョプサル&チャーハン
■8/24(Sat)
妻と高円寺阿波踊りを覗く
秋葉原の東京カレー名店会でエチオピア&トプカのセット。ここのエチオピアは辛さが選べないのが弱点だなー。
グッドマンでAMT(あとで写真ともどもちゃんと書きます)。その後、朝まで打ち上げ
■8/25(Sun)
中野坂上‐方南町間を数往復したのち8時過ぎ帰宅
落合soupでGALAXレコ発パーティ(あとで書きます)
夕食は麻婆豆腐あんかけご飯。
■8/26(Mon)
夏期休暇1日目
DVD『ロッカーズ』観る
渋谷で打ち合わせの後、嵯峨谷でもり2枚、茄子天、ビール
■8/27(Tue)
東京タワーへ(蝋人形館と藤子F展を観てきた。あとで書きます)
中野富士見町八合で夕食。かじきのねぎ間が絶品
■8/28(Wed)
藤子F不二雄ミュージアムへ(あとで書きます)
■8/29(Wed)
阿佐ヶ谷で打ち合わせだったので早めに行って麻婆豆腐。口が痺れるほど花椒が効いてて旨い
ビリビリ酒場で編集者イベント(あとで書きます)
打ち上げの二次会で裏面へ
■8/30(Fri)
電子書籍のデータ校正
■8/31(Sat)
昼食に野沢菜舞茸ペペロンチーノみたいなものを作る。ちょっとしょっぱかったかも。
中野富士見町「テッパン」で弟と呑む。引き続き自宅でも呑む。いい店!また行こうと思います。
DVD『ホビット』見始めるが寝落ち
投稿者 junne : 19:34 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月05日
Galaxy Express 666 feat. Jah Excretion at Ochiai Soup
■先月のGALAXレコ発の際のGalaxy Express 666 feat, jah excretion、動画をいただいたのでYouTubeにアップしました。
■けっこう色んな人から、これまでで一番よかったと言われました。まあまだ4回目なんですが。ある程度演奏がこなれてきたのと、ゲスト効果、それから前打ち上げであまり呑まなかった(笑)など色んな要因があるとは思いますけども、引き続きがんばります。ちなみに次回のライブは9/18にEARTHDOM! またしても友人知人だらけの盛大な飲み会状態!酒に飲まれずがんばります。
9/18(Wed)
新大久保EARTHDOM
OPEN 18:30 / START 19:00
前売 1700円 / 当日 2000円(別途ドリンク代 500円)
w/マニアオルガン, BLASTRO, カルキ, アダア
■まだ始めたばかりのバンドですが、結成したてのバンドを継続的に見ていく面白さってあると思うんですよ。まあ絶えずチェックしてくれとは言いませんが、今のうちに一度くらい見ておいて、それからまたしばらく経ってからまた見たりすると色々面白いんじゃないかと思います(他人事っぽいなw)。
投稿者 junne : 18:36 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月04日
Americo / Americograffit
■Americoがアナログ・レコードを出しました。暫定ですが現時点で個人的には今年の新譜ベスト。Americoはもともと大好きでライヴにもしょっちゅう行っていることはこのブログではおなじみだと思われますが、これはほんとにいいですよ。
■もともとAmericoを初めて観た時に思ったのは、「50’sのロックンロールやガールポップ(まあフィル・スペクターとかね)をジョニー・サンダースやラモーンズ経由でやっている」のだな、ということ。たぶんこの説明だけでわかる人にはピンと来るだろうし、それでピンと来たらもうマストバイだと言っていいと思います。
■これまでCD-Rなんかで小出しにリリースされてきた曲に加えて新曲も少々。既発表曲も新録で、今回のレコードのために少しずつ少しずつ録音されてきたものです。録音は安心の中村宗一郎仕事。レコード屋ではガレージのコーナーに置いてあることが多いようだけど、Dum Dum GirlsとかBest CoastとかみたいなUSのドリーミーなインディバンドが好きな人にも是非聞いていただきたい。
■販売店もメンバーが自ら信用できるお店を回って置いてもらっているということなので、せっかくなら買いに行ったついでにお店をゆっくり覗いてくるのもいいのではないかと(ぼくは円盤で書いました)。販売店リストはこちら。最近はライブの本数も減らしてるようだけど、ひとまずはこれを聴きながら10月5日のワンマンを楽しみに待ちたいところ。
Americoの夜
~ロックに愛をこめて♡ワンマンGIG~
10/5(土)@ 吉祥寺バウスシアター2
21:15 open 21:30 start
前売予約¥1,800 当日¥2,000
*9/5(木)より前売予約を受け付けます。吉祥寺バウスシアター(baustheater@japan.email.ne.jp)まで、 件名を「10月5日予約希望」として、お名前/ご連絡先/チケット枚数を明記の上、お申し込みください。
投稿者 junne : 20:00 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月03日
Michael Monroe / Horns and Halos
■Hanoi Rocks解散後、マイケル・モンローは自身の名前を冠したバンドを結成(アリス・クーパーとかマリリン・マンソンみたいなもんです)。旧ハノイで再結成ハノイには不参加のサミ・ヤッファ、そしてサミと一緒に再結成ニューヨーク・ドールズに参加していたスティーヴ・コンテ、ワイルドハーツをやったり辞めたりのジンジャーといった顔ぶれだったのだが案の定ジンジャーはファースト・アルバム『Sensory Overdrive』リリース後に脱退。代わりに加入したのがBackyard Babiesのドレゲンというのもなんか予定調和的な展開な気もしたけど、まあ依然としてその筋のスーパーバンドと言っていいだろう。
ホーンズ・アンド・ヘイローズ 【ボーナス・トラック4曲収録】 マイケル・モンロー ビクターエンタテインメント 2013-08-20 by G-Tools |
■前作は意外と評価が高かったみたいなんだけど個人的には今ひとつだったのね。マイケルのソロに(や、数々のユニット)にはずっと「曲がよくない」という根本的な問題がつきまとっておりまして、前作もその粋を出ないなーと思ってたのです(ただ、やはりハノイ解散後にアンディ・マッコイが結成したGrease Helmetのアルバムは第一印象は冴えなかったんだけどこないだ聞き返したらけっこう良かったので、今聴くと違うかも)。
■で、おそらくドレゲンがどのくらい曲作りに参加するかで今作の出来は決まるんじゃないかなーと思ってたわけですが、結論から言うと今回はなかなかいいと思います! 後期BYBにも通じるポップパンク的なロックンロールを主体に(家で聴いてたら妻に「馬鹿っぽいの聴いてるね」って言われましたが、まあそれだけ若々しいってことですよ)、勢いを削がない程度にレゲエっぽいリズムをフック的に交えたりソウル系の曲(しかしテンポは速い)も混ぜたりといったベテランらしい小技も効いている。
■ライナーによるとドラムをのぞく全員が作曲に関わっており、バンドとしても充実してるんだろうなーというのがうかがえるので是非来日もしていただきたい。あと、マイケルはいつもカバーがかっこいいのだけど、今回は日本版ボーナストラックにしかカバーは収録されておらず、しかも70年代にフィンランドで活躍したパブロック?バンドのカバーという渋い選曲。これがまた実にかっこいいので日本版を買うのがいいと思います。
原曲
■つか、どうせなら今のメンバーからスティーヴをアンディに変えて第3期ハノイ・ロックスにしてくれんもんかのう……
投稿者 junne : 12:10 | コメント (0) | トラックバック
2013年09月02日
最近読んだ本から
■8月に読んだ本をざっとご紹介。
■湯浅学『音楽を迎えにゆく』
音楽を迎えにゆく 湯浅 学 河出書房新社 2012-02-17 by G-Tools |
『音楽が降りてくる』に続く、湯浅さんの批評集。もちろん面白いのだがやはり何と言っても最大の見どころは大瀧詠一の章だろう。湯浅さんのナイアガラ時代が書かれた貴重な文章。
■小田 雅久仁『本にだって雄と雌があります』
本にだって雄と雌があります 小田 雅久仁 新潮社 2012-10-22 by G-Tools |
Twitter文学賞国内部門グランプリ作品。本にも雄と雌があり、相性のよい2冊を並べておくと子供(「幻書」と呼ばれている)が産まれることがある、というそれ自体が極めてぶっ飛んだところから、さらに話はどんどん奇想天外に広がっていく。饒舌にギャグを繰り出してくる文体がちょっと森見登美彦を思わせますね。
■和田靜香『音楽に恋をして♪ 評伝・湯川れい子』
音楽に恋をして♪ 評伝・湯川れい子 和田靜香 朝日新聞出版 2012-12-20 by G-Tools |
女性音楽評論家の草分けである湯川れい子先生の評伝。むしろ音楽評論家になる前の話が面白かった。
■吉田 豪『サブカル・スーパースター鬱伝』
サブカル・スーパースター鬱伝 吉田 豪 徳間書店 2012-07-21 by G-Tools |
サブカルは40歳くらいで鬱に襲われることが多い、ということで40を目前に控えた筆者がその時期を乗り越えたサブカルの先輩たちに話を聞いてそれに備えるという主旨。それぞれがいろんなことを言ってるが、結局体力なようですね……。あと、最近は「サブカル実家帰り」がむしろ話題になっているというのが個人的にも実感を持って感じられた。
■ポール・ラファージ『失踪者たちの画家』
失踪者たちの画家 ポール・ラファージ 柴田 元幸 中央公論新社 2013-07-09 by G-Tools |
柴田元幸訳。疾走した人々の似顔絵を描くことに特殊な才能を発揮する主人公をめぐる奇譚。安直な喩えではありますが、カフカっぽいと言ってしまっていいのだろうか。舞台となるのがどことも知れない架空の都市で、どことなくヨーロッパというか東欧っぽい感じがするせいもあるのかも。
■高橋 源一郎『銀河鉄道の彼方に』
銀河鉄道の彼方に 高橋 源一郎 集英社 2013-06-05 by G-Tools |
『宮沢賢治グレーテスト・ヒッツ』がいまひとつだったのでどんなもんかなーと思ってたのですがこれはよかったと思う。